現代は、豊かさ、便利さ、技術の追求等によって、さまざまな「もの」が溢れ、消費者ニーズはより多様化・個性化し、デザインの役割はますます高まってきています。また、デザイン戦略は、新商品の開発・企業の活性化・販売促進の手段として、社会的に極めて重要なポジションを占めています。
産業デザイン科では、デザインの総合的な力を育成するために「プロダクトデザイン」と「グラフィックデザイン」の二つの分野を柱とし、幅広い職域に対応できる能力を習得。同時にデジタル化が進むデザインビジネスの現在に対応できる実践力を身に付けるために、CG、CAD、DTP、マルチメディアなどデザインを機軸としたコンピュータ技術についても学びます。2年間のカリキュラムでは、社会のニーズに応える幅広い企画力・発想力・造形力およびプレゼンテーション能力を身につけ、産業界の期待を担う実践的な技術者・クリエーターの育成を教育訓練目標にしています。
授業内容
製品デザイン実習
製品デザインの基礎から学習していきます。テーマに沿った製品の市場調査から始まります。市場調査では売られている状況、使われている状況、実際に触ってみての問題点発掘など行うことによって、現状把握と今後の可能性を探ります。そこから学生個々にデザインコンセプトを設定し、アイデア展開へと進みます。発想演習の基本はとにかく数多くのアイデアスケッチをすることです。その後アイデアを絞り込み、より具体的な設計を行い図面化し、図面に基づきプレゼンテーションモデルを制作します。写真は、ケミカルウッドを使用してのプレゼンテーションモデル。その後パソコンを使用してプレゼンテーションペーパーを作成します。最終的には一人づつ、モデルとペーパーを使用してのプレゼンテーションを行います。


視覚伝達デザイン実習
課題例 [CDジャケットデザイン]
この課題では手書きによるイラストレーションの制作とコンピュータによる文字や図形のレイアウトを課題として行なっています。まず学生各自が既存のアーチストやアルバムを設定し、自分なりのオリジナルな発想を元にフロントジャケット、リアジャケット、サイドキャップ、レーベルなどのイラストを制作します。できたイラストをスキャナーでパソコンに読み込み文字や図形、その他必要と思われる情報をレイアウトし実物に近い形に作り込んでいきプレゼンテーションモデルを完成させます。


コンピュータ基礎実習
コンピュータ基礎実習では、名刺デザイン、ポストカード、ロゴデザインなど基本的なデザイン課題に取り組みます。
応用課題として、ジャムパッケージデザインを行った事例です。デザイン企画をもとにデザインコンセプトを固め、新たなジャムパッケージを提案していきます。デザイン提案の表現の基本は、鉛筆スケッチ。それを商品化に向けたデザインを描画系ソフトと画像系ソフトを使い表現します。
スケッチから着彩イメージ、最終的には『商品デザイン』の魅せ方・表現について学びます。


コンピュータグラフィック実習
描画系ソフトと画像系ソフトから表現の幅を広げるため、3DCG・CADへの活用技術を学びます。
パッケージのラベルデザインやキャラクターの服や肌などのリアル表現は描画系ソフト+画像系ソフトで仕上げ、仮想空間内で立体に起こし、レイアウト・ビジュアル表現などを3DCGで行います。また製品のイメージだけでなく、製品設計に結び付けられるCAD技術も学んでいきます。
積み上げた技術とアイディアによりビジュアル表現から実践的製品へ結び付けます。また、3Dデジタルキャラクター制作を試みることで、キャラクターデザインやシミュレーション映像、立体造形のデジタル加工技術へと展開していきます。




カリキュラム構成・体系

デザイン総合コース
プロダクトデザイン分野
プロダクトデザイン分野では、立体的な生活用品や道具のデザイン開発を学習していきます。自分たちを取り巻く社会性や時代性を踏まえながら様々な用途や素材の製品開発に取り組んでいきます。
プロダクトデザイン分野の最終課題の総合制作実習では、企業と連携した新商品開発に取り組み、企業が抱えている新商品開発の問題をテーマにします。一昨年は、業務用空気清浄機のデザイン開発に取り組みました。企業からの商品開発についての開発指針や注意点等の講義を受けた後、市場調査、コンセプト設定、アイデア展開、製図、モデル制作、プレゼンテーション等の一連のプロセスを経てデザイン開発に取り組みます。最終プレゼンでは、企業の方々を前に学生個々が制作したデザインについて発表します。


グラフィックデザイン分野
グラフィックデザインの分野におけるテーマに基づき、課題を制作し、基本的なデザイン技術を身に付けます。
課題例 [香水のパッケージデザイン]
香水の容器と箱のパッケージデザインを制作します。内容については学生各自が既存のブランドから商品イメージを想定し市場調査を行います。商品コンセプトが決まりましたら容器のデザインや商品名のロゴデザインを制作します。容器のデザインから箱の寸法を割り出し試作モデルを制作します。箱の形状は普通の直方体にこだわらず変形の箱でも構いませんが、注意すべき点は量産性を考え構造的に強くシンプルで美しいデザインになるまで試作を繰り返すことです。箱の形状が決まりましたらパソコンで原寸の展開図を制作します。加えて文字や装飾などをレイアウトし、完成イメージに近い紙質でプリントしプレゼンテーションモデルを完成させます。


デジタルデザイン分野
デザイン分野におけるコンピュータおよびデザインツールの役割・活用方法について学習していきます。
コンピュータに慣れることや基本的なデザイン表現力を備えることも重要ですが、デザインの現場は既にコンピュータでのワークがかなり多いことから、各データの取り扱いやデータの基本仕様はデザインの現場では必須です。
今は各メディア(DTP、WEB、動画など)への横断的な知識も問われています。そこで一つのアイデアから、様々なデジタルツールを活用することで、各メディアへ展開できる技術を学んでいきます。参考事例にキャラクターデザイン例ですが、アイデアから2次元描画、そして3DCGへ展開したものです。デジタルデータを昨今のWEBや動画への展開、デジタル造形加工などへ最終的に結び付ける技術を学びます。


卒業生の声
当校で“ものづくり”の実践力を身につけて巣立った卒業生からの声です。






