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港湾とは



 日本は石油、天然ガスなどの資源やさまざまな食料を多く輸入しています。日本が経済大国となった背景には、性能のよい鉄鋼や自動車、電子機器といった製品を輸出することが挙げられますが、その製品の原材料は石油や金属であり、輸入ができなければ、当然製品を作ることができません。

 日本における貿易の99%は海運による輸送です。これは大量に、しかも安く運ぶことができるからです(5kgの荷物を運ぶ1kmあたりのコストは、飛行機345円、トラック127円、船29円)。つまり日本の貿易の中心は港湾であるといっても過言ではなく、重要な役割を果たしているということです。


 港湾とは、船を安全に出入りや停泊させ、人の乗降や荷役(にやく:トラック・貨車・船舶・航空機といった輸送機器への貨物の積み込みや荷下ろし、あるいは倉庫・コンテナヤード等への入庫・出庫を総称した作業のこと)が行なえる海域と陸地のことです。

 海陸輸送の転換機能は、ターミナル機能ともいわれ、海上と陸上輸送の接点になります。ターミナル機能は商品の物流に密接な関係があるため、船舶の係留・荷役を行うための施設や、陸上での荷捌きおよび保管の施設等が整備されています。例えば防波堤や岸壁、運河、堤防、ガントリークレーン、旅客ターミナルなどが挙げられます。


海上輸送用のコンテナとコンテナ革命



 海上輸送で使用されるコンテナは国際的な規格が定められています。長さは20フィート(約6メートル)または40フィート、幅は8フィート、高さは8フィートもしくは9フィート6インチが通常で、すべてのコンテナには固有の識別番号(コンテナ番号)が付けられています。

 現在では、定期貨物船が運ぶ貨物の約90%がコンテナによるものです。コンテナはコンテナ・ターミナルにおいてガントリークレーンによる貨物の積み下ろしを行います。コンテナを利用する以前はフォークリフトや人力による荷役で行っていました。現在のようなコンテナ輸送になるきっかけとして「コンテナ革命」といわれる画期的な輸送法が発明されました。

 第2次大戦後の先進諸国を中心とする急速な経済成長は、貨物量の増大とともに港湾労働者の不足をもたらしました。人手不足で荷役作業が遅れ、貨物船の停泊時間が長引く結果、トラックや鉄道などの陸上輸送機関の効率にも影響を及ぼしてしまいました。


 1956年 アメリカのトラック運送会社を経営していたマルコム・マクリーン氏は、異なる輸送機関の間で輸送単位を共通化することが物流合理化の決め手だと考えていました。中古のタンカーを購入して改装し、陸上トレーラーをそのまま積載して荷役時間を大幅に短縮させました。

 しかしこの方式ではトレーラーも輸送するため、積載効率が悪いことになります。そこでマクリーン氏は、トレーラーを「シャーシ」と「コンテナ」に分離し、コンテナだけを効率よく船倉内に固定するための画期的なセルガイド方式を開発しました。これが国際貨物輸送の分野に海陸一貫輸送という大変革をもたらした「コンテナ革命」です。


港湾運送事業



 港湾における運送事業は、港湾運送事業法という法律で明確に定められています。なおこの法律で「港湾運送」とは、他人の需要に応じて行う行為であつて、次に掲げるものをいいます。

 @一般港湾運送事業
  荷主又は船杜の委託を受けて、港湾における輸出入貨物の受け渡し、並びに船内荷役、艀(はしけ)運送、沿岸荷役、筏運送を一貫(他種事業者等と連係して)行う事業です。一種元請業者、又は海貨業とも言います。

 A港湾荷役事業
  船内荷役(船舶への貨物の積み下ろし)又は沿岸荷役(岸壁や上屋での作業、荷捌き、保管、並びにはしけへの積み下ろし)を行う事業です。




 Bはしけ運送事業
  はしけとは、河川や運河などの内陸水路や港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶をいいます。はしけの多くはエンジンを積んでいないため自力で航行することはできず、タグボートにより牽引あるいは推進されながら航行します。
  はしけ運送事業とは、港湾における貨物の船舶又ははしけによる運送、港湾と港湾又は場所との間における貨物のはしけによる運送又は港湾若しくは指定区間における引船によるはしけ若しくはいかだのえい航を行う事業です。

 Cいかだ運送事業
  木材をいかだに組んでする運送、又は船舶やはしけにより運送された木材の水面貯木場への搬入、搬出、
  荷さばき、保管を行う事業です。

 D検数事業
  船積貨物の積込みまたは陸揚げを行うに際して、その貨物の個数の計算または受渡しの証明を行う
  事業です。

 E鑑定事業
  船積貨物の積付けや損害に関する証明、調査および鑑定を行う事業です。

 F検量事業
  船積貨物の積込みまたは陸揚げを行うに際して、その貨物の容積または重量の計算または証明を行う
  事業です。


海運貨物取扱業者のしごと


 海運貨物取扱業者(海貨業社)とは、港湾運送事業法に定義された一般港湾運送事業の“海運貨物取扱業”(荷主の委託を受けて行う個品限定運送)を行う会社をいい、簡単に言えば「自らの責任で、荷主⇔船社の貨物の受け渡しを仲介する業者」を指します。

 海貨業者は主に下記の業務を行っています。

 @契約された輸出入する貨物の輸送手段の確保・保税地域への搬入荷主に代わり、船腹予約(BOOKING:貨物の船積予約)など、輸送手段を確保します。また輸送中の事故などに備えた保険付与を行います。準備が整ったら通関のための保税地域へ貨物を搬入します。商品は、品質検査、輸出包装後、荷印(SHIPPING MARK)の刷り込みをし、輸出できる状態にして搬入します。
 A通関手続き・商品の積込・輸送
  輸出者側で輸出通関、積込の手続きを行います。国境輸送の後、輸入通関手続きを輸入者側で行います。通関に関わる申請はオンライン化が進んでいます。